長命寺② 奥之院参道

長命寺②(のうち)

〇奥之院(東京都指定史跡)

(説明板)
「東京都指定史跡
 東高野山奥之院  所在地 練馬区高野台二ー一○ー三
             指 定 昭和三一年三月三日
 長命寺は、縁記等によれば、小田原北条氏の臣であった増島重明が北条氏没落後隠棲し、慶算と号し高野山へ登り木食修行において弘法大師の木像を感得し、谷原に一院を営んだのを初めとします。重明の家督を継いだ増島重俊が、慶算阿闍梨の志を継いで、紀州高野山の構えにならって堂宇を建造し、長谷寺小池坊の僧正秀算が長命寺と命名したものです。
 奥之院は重俊が慶算の志を継ぎ、紀州高野山の弘法大師入定の地勢を模して整備したものです。御廟橋から奥之院(大師堂)に通ずる沿道の両側には多数の供養塔・灯籠・六地蔵尊・宝儀印塔・五百羅漢・水盤・姿見井戸などが配列されています。このように紀州高野山を模して造られたので東高野山と呼ばれています。この奥之院は規模等において高野山奥之院を凝縮したものですが、霊場にふさわしい雰囲気となっています。
 長命寺は、たびたび火災にあり、多くの堂宇は明治以降の再建ですが、区内最古とされる梵鐘(慶安三年銘)や、芝居絵馬や石像などの多くの文化財が残されています。
  平成二二年三月 建設    東京都教育委員会 」

DSCN5287_20200907172752402.jpg

DSCN5285_202009071727534b4.jpg


<奥之院への参道>

 奥之院への参道は、御廟橋を渡る参道と石燈籠が並ぶ参道の2つがあります。
 江戸名所図会では、御廟橋を渡る参道のみ描かれていて、石燈籠が並ぶ現在の参道は、御影堂と観音堂を結ぶ回廊が描かれています。


<奥の院参道入り口(御廟橋経由)>

 奥の院参道入口左手前に「右 東高野山道」と刻まれた道標が、右手前に「東かうや山おくのいん入口」と刻まれた石塔が建っています。

DSCN5282_20200907172754172.jpg

DSCN5284_2020090717275656c.jpg

DSCN5283.jpg


<出羽三山等供養塔>

 参道の左側に立ち並ぶ三十数基のさまざまな石塔の中に、出羽三山供養塔があります。

DSCN5307_202009071734285a3.jpg

DSCN5306_20200907173429060.jpg

DSCN5308_2020090717343132e.jpg

DSCN5315.jpg

DSCN5316_20200907173433f93.jpg
    

 正面「月山 湯殿山 羽黒山 四國 西國 秩父 坂東 拜禮供養塔」
 天保3(1832)年の造立です。
 右側面に願主、谷原村の個人です。

DSCN5310.jpg

DSCN5309_20200907173907bc8.jpg

DSCN5311_202009071739100fc.jpg

DSCN5312_20200907173908cc1.jpg

DSCN5314_202009071739110ca.jpg

DSCN5313_20200907173913c70.jpg


<出羽三山百番供養塔>

 御廟橋の手前左手に3基の石塔があり、1基が出羽三山供養塔です。
 正面「月山 湯殿山 羽黒 秩父 西國 坂東 百番順禮供養塔」
 右側面「先祖代々一切聖霊為菩提」
 正面台石「依田」
 左側面 文化15(1818)年造立です。施主は江戸牛込横寺町の個人。
   
DSCN5326_20200907174635c17.jpg

DSCN5322_202009071746379ec.jpg

DSCN5319.jpg

DSCN5320_202009071746400c5.jpg

DSCN5321_20200907174641efc.jpg

DSCN5324_20200907174643b53.jpg

DSCN5323_202009071746443da.jpg


<右手の石塔>

 参道入ってすぐの右手の石塔。

DSCN5325_20200907194102751.jpg
   

<御廟橋(みみょう)>

 御廟橋の右手に石碑があります。嘉永7(1854)年の修復です。
 御廟橋「みめ卯の者し」の振り仮名。北八講中。

DSCN5317.jpg

DSCN5318_20200907194359ad1.jpg

DSCN5329.jpg

DSCN5330_20200907194401d66.jpg

(横から)
DSCN5332_20200907194403b7d.jpg

(振り返ってみたところ)
DSCN5331_20200907194404cef.jpg


<石橋敷石供養>

 橋の左手に石碑「石橋敷石供養」があります。
 享和元(1801)年11月と刻まれています。
 御廟橋を指すのか別の場所にあった石碑の移設なのか不詳。

DSCN5335.jpg

DSCN5333_2020090719470031e.jpg

DSCN5334_20200907194702998.jpg


〇霊場域

 御廟橋を渡ると「霊場域」である奥之院です。
 両側に六地蔵、、十基の宝篋印塔、三対の石燈籠。その後ろにも墓地が和に石塔が並んでいます

DSCN5347_2020090719543461f.jpg

DSCN5347b.jpg

DSCN5351.jpg

DSCN5351b.jpg

DSCN5336_20200907195437ca8.jpg

DSCN5348_20200907195438957.jpg


 振り返って見たところです。
 参道の最後に三対の石燈籠、その先に十基の宝篋印塔、その先に六地蔵が並んでいます。

DSCN5349_20200907195440949.jpg

DSCN5746_202009071954410c8.jpg


<石燈籠>

 「武州豊嶋郡谷原村」
 「奉献石燈籠二基」(増上寺の燈籠は両基と銘されます)
 「慶安五年~」
  施主は増島八郎右衛門重俊と刻まれています。
 増上寺からの移設燈籠が多い中、江戸名所図会にも描かれている当初から設置されている燈籠です。

DSCN5767.jpg

DSCN5772.jpg

DSCN5768.jpg

DSCN5769_20200907195821ec6.jpg

DSCN5770.jpg

DSCN5771.jpg


<庚申供養塔>

 橋越えて参道右手に5基の石塔が並びます。
 道標を兼ねた庚申塔。安永5(1776)造立。
 右側面「右 田中道」
 左側面「左 石神井みち」

DSCN5327.jpg

DSCN5328_20200907200327203.jpg


 参道左手に庚申塔。元禄8(1695)年。

DSCN5337.jpg


<辞世の句碑>

 文久2年建立の辞世句碑。詳細不詳。

DSCN5338.jpg
  

<双体道祖神>

 不詳。

DSCN5339_20200907200332a99.jpg
  

<姿見ノ井戸>

 (説明石板)
 「長命寺は江戸府内の十七番の大師霊場で四国十七番井戸寺とは関係が深く昔からこの井戸の水に顔が写れば長生きすると伝えられている」

DSCN5340_20200907200619935.jpg

DSCN5341_2020090720062163f.jpg

DSCN5343_2020090720062473d.jpg

DSCN5342_20200907200622823.jpg


 枯れているのだろうと思いつつ、一応のぞいてみると、深いところで小さくなった水面に空が反射しています。

DSCN5346_202009072006252da.jpg
    

○奥之院参道の奉献石燈籠

 こちらの参道は、江戸名所図会には描かれていない後からの参道です。

 参道左手に立派な石燈籠1基。昭和54年に増島氏による奉納。
 その石燈籠の後方に、浄徳院殿(綱吉嫡男徳松)墓碑があります。

 参道の両脇には、元々増上寺霊廟にあった江戸時代の4対の石燈籠が並びます。
 2対4基は「有章院殿尊前」、2対4基は「文昭院殿尊前」の奉献石燈籠です。

(正面から)
DSCN5370_20200907204537622.jpg

(反対側から)
DSCN5419_20200907204539b24.jpg


<1組目>

・左の奉献石灯籠
 正面「奉献石燈籠一基」「武州増上寺」
   「有章院殿 尊前」(7代将軍家継)
   「従五位下~守~」
    正徳6(1716)年4月晦日の造立です。

DSCN5376_202009072049157b3.jpg

DSCN5375_20200907204917df1.jpg

DSCN5371_2020090720491737c.jpg

DSCN5372_2020090720491934f.jpg

DSCN5374_202009072049207c4.jpg


・右の奉献石燈籠
 正面「奉献石燈籠一基」「武州増上寺」
   「有章院殿 尊前」(7代将軍家継)
   「従五位下駿河守藤原姓新庄氏直祐」
    正徳6(1716)年4月晦日の造立です。

DSCN5381.jpg

DSCN5377_20200907205125dc4.jpg

DSCN5378_20200907205126964.jpg

DSCN5379_2020090720512765a.jpg
     

<2組目>

・左の奉献石燈籠
 正面「奉献石燈籠一基」「武州増上寺」
   「有章院殿 尊前」(7代将軍家継)
   「従五位下本庄宮内少輔藤原道章」
    正徳6(1716)年4月晦日の造立です。
 この燈籠は燃えていないようです。
 刻まれた文字もしっかりしており、奉献者もしっかりと読み取れます。

DSCN5388_2020090720540226c.jpg

DSCN5382.jpg

DSCN5384_20200907205405243.jpg

DSCN5386_2020090720540793c.jpg


・右の奉献石燈籠
 正面「奉献石燈籠一基」「武州増上寺」
   「有章院殿 尊前」(7代将軍家継)
    奉献者は、刻部分の損傷激しく読み取れず。
    正徳6(1716)年4月晦日の造立です。

DSCN5392.jpg

DSCN5389_20200907205551596.jpg

DSCN5391_20200907205553c03.jpg
    

<3組目>

・左の奉献石燈籠
 正面「奉献石燈籠一基」「武州増上寺」
   「文昭院殿 尊前」(6代将軍徳川家宣)
   「従五位下~以下読み取れず」
    正徳2(1712)年10月14日の造立です。

DSCN5397_202009072057421d2.jpg

DSCN5393.jpg

DSCN5395.jpg
    

・右の奉献石燈籠
 正面「奉献石燈籠一基」「武州三緑山」
   「文昭院殿 尊前」(6代将軍徳川家宣)
   この燈籠は「三緑山」と刻まれています。三緑山とは増上寺です。
   「従五位下松平但馬守源友著」
    正徳2(1712)年10月14日の造立です。
   保存状態の良い燈籠です。

DSCN5403_202009072059306fe.jpg

DSCN5400_2020090720593153c.jpg

DSCN5399.jpg

DSCN5402.jpg


<4組目>

・左の奉献石燈籠
 正面「奉献石燈籠一基」「武州増上寺」
   「文昭院殿 尊前」(6代将軍徳川家宣)
   「信州小諸城主 従五位下牧野周防守康重」
    正徳2(1712)年10月14日の造立です。

DSCN5409_20200907210256d34.jpg

DSCN5406.jpg

DSCN5405_20200907210259792.jpg

DSCN5407_2020090721030088b.jpg


・右の奉献石燈籠
 正面「奉献石燈籠○○」「武州増上」
   「文昭院殿 尊前」(6代将軍徳川家宣)
   「従五位下~」
    正徳2(1712)年10月14日の造立です。

DSCN5418_20200907210522bec.jpg

DSCN5412_2020090721052367a.jpg

DSCN5413_20200907210524613.jpg

DSCN5417_20200907210526a3f.jpg


<浄徳院殿(綱吉嫡男徳松)墓碑>

 4対の燈籠の手前左手に、徳川綱吉嫡男徳松の墓碑があります。
 墓碑は下半分だけで上半分が失われています(上半分には他の石碑が載っています)。
 増上寺支院岳蓮社にあった墓所・墓碑ですが、昭和33年に、徳松墓所は増上寺の合祀塔へ改葬されています。
 こちらの墓碑には「浄徳院殿霊岳崇心 大童子 神儀」と刻まれ、天和3(1683)年5月28日の銘です。
 また、「従増上寺境内~」と刻まれています。
 徳松は2歳で家督を継いで舘林藩主となり、5歳で夭逝しています。
 「七五三」の祝いは、天和元(1681)年11月15日に徳松の健康を願ったのが始まりだとされています。

DSCN5773.jpg

DSCN5729.jpg

DSCN5738.jpg

DSCN5731.jpg

DSCN5730.jpg

DSCN5734.jpg

DSCN5736.jpg


<千壽観世音>

DSCN5375a.jpg

DSCN5739.jpg
   

<十二日講引導者像>

DSCN5740_202009072111235e5.jpg

DSCN5740b.jpg
関連記事

テーマ : 歴史・文化にふれる旅 - ジャンル : 旅行

tag : 出羽三山奉献石燈籠江戸名所図会史跡

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

カウンター
プロフィール

ほっと湯Web

Author:ほっと湯Web

最新記事
月別アーカイブ
カレンダー
04 | 2024/05 | 06
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
検索フォーム
リンク
カテゴリ
タグリスト

全記事タイトル表示

全ての記事を表示する

Japanese→English
English
♥. ♠. ♣Alice
QRコード
QR